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【本】柳美里『貧乏の神様 芥川賞作家の困窮生活記』

貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記

貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記

 柳美里がどうして南相馬に越したのか知りたくて読んだ。この貧乏は生活保護を受けながら半額の高級和牛を買うような種類の、読んでて行政の支援や福祉の介入が欲しくなったり教育の問題ガーとか言いたくなるような貧乏。それが本人の書くモチベーションにもなっているようで、本人がしたくしてしていることにとやかく言うことはないんだけど、その陰で子供が虐待されているとすれば話が全然違ってくる。この本の前半あたりを読むともうちょっと早く息子さんを救えなかったかな…という点では親の職業や地位に関係なく危うい家庭には行政がガンガン立ち入ってほしいとも。

 南相馬転居後の、最近の柳美里氏は安定してるように見える。虐待カウンセリングの成果も出てるのかなと。


www.cataloghouse.co.jp


「どうして南相馬に越したのか」とtwitterで書くとこれを教えてくれた方あり。ただ読んでも正直よくわからなかった。母のルーツは語り口からしてもそれほど強い動機に思えないし、「物書きとして現場に行ってみたい」という衝動に従って行った先で出会いに恵まれた結果なのかな、と思う。